ここではTEMを使用した例を挙げていきます。利用の参考にしてください。
徐々に充実させていきます。(でも更新は不定期)
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ネオジム磁石の結晶粒界
高分解能像
Cuをドープしたネオジム磁石の高分解能像。結晶質なNd2Fe14Bの粒間にアモルファス相が存在している。
強磁性物質の透過型電子顕微鏡観察は困難だが、うまく調整することで最強のネオジム磁石であっても高分解能像は観察可能。
準結晶(Al72Pd19.5Mn8.5)
制限視野回折像・高分解能像
FZ法で合成された準結晶の電子線回折像と透過電子高分解能像。準結晶に特徴的な5回回転対称性がよく見えている。
基盤上の薄膜断面写真
CaIrO3 film on SrTiO3 (perovskite-type structure)
Cubic-Perovskite型SrTiO3(STO)基盤上に成膜されたOrthorhombic-Perovskite型CaIrO3(CIO)薄膜。イオンスライサーを利用して良質な断面試料を作成し,高分解能像を取得した。ここに掲載した成膜試料はHirai et al. (2015), APL, 107, 012104に使用されたものとなる。
Si111
制限視野回折像・高分解能像・集束電子線回折像
透過型電子顕微鏡の基本技法たち。
CBEDは100kVで,それ以外は200kVで撮影。いずれも2010F電顕を使用。
レインボーガーネット
{110}面
透過電子像と元素マッピング
110面に垂直に切った薄片。太いバンドはアンドラダイト(Ca3Fe3+2Si3O12)で,細いバンドはグロッシュラー(Ca3Al2Si3O12)。アンドラダイトとグロッシュラーには屈折率の差異があり,このラメラによる光の多層膜干渉がイリデッセンスの原因と考えられる。
2010F電顕を使用。
多重反射の困った例
多層グラフェン[001]からの透過電子像と回折像
グラフェン層が右側にむかって徐々に重なっている。今見えている模様は各層の格子が干渉して見えるモアレ模様。
左上:単層(orシングルドメイン)からだとこのように典型的な六回対称パターン。
左下:やや厚いところではこのように一見超構造を思わせるパターンとなり戸惑うが,よく見たら(偽)超格子反射は基底反射のn倍では無いことに気づく。
右上:いろんな角度で回転している層が何層も重なるとこのような非常に複雑なパターンができあがる。
上の層で回折した電子線が下の層でもう一度回折してそれが(偽)超格子反射として出現し,いろんな角度で回転している層が何層も重なるとこのような非常に複雑なパターンができあがる。そういう多重反射で困った例でした。
CBED
120kVで試しに撮ったCBEDパターン。
CBEDは2100電顕,それ以外は2010F電顕を使用。
バイオミネラロジー
シジミ
味噌汁の具に入っていたシジミ。二枚の殻はこの蝶番靱帯でつながっています。
蝶番靱帯の透過電子像
靱帯を伸長方向と垂直に切った断面。六角形はアラゴナイトの結晶で,中央に双晶ドメインが入ってます。結晶間を埋めているのはたぶんタンパク質。
高分解能像
https://flic.kr/p/EmeusK
双晶部の高分解能像。
ナノスケールでサイズや形状,さらには結晶のデザインをここまで整えることは実験ではとても難しい。生物がいとも簡単にこれを作っていることには驚くばかり。
2010F電顕を使用。