開催趣旨
東京大学物性研究所では、2015年度より「ソフトウェア開発・高度化プロジェクト(PASUMS)」を開始し、今年度10周年を迎えました。PASUMSでは、計算物質科学分野におけるオープンソースソフトウェアの開発・公開を推進し、多くの研究者に利用される標準的ソフトウェア群を整備することで、研究コミュニティの発展に寄与してきました。本研究会では、これまでの成果を共有するとともに、今後のさらなる展開に向けた議論を深めたいと考えています。具体的には、PASUMSが支援した以下の分野のソフトウェアについて、講演をします。
・第一原理計算(RISM, TurboRVB, abICS)
・強相関電子系(有効模型構築と解析、DCore+ChiQ, TeNeS)
・データ科学(PHYSBO, ODAT-SE)
さらに、ソフトウェア普及を目的としたMateriAppsプロジェクト、オープンソースソフトウェアのライセンス解説、さらに最新の開発手法に関する講演も予定しています。本研究会を通じて、計算物質科学におけるオープンサイエンスの推進、ならびに次世代研究者の育成に大きく貢献できることを期待しています。
なお、本研究会ではポスター発表も募集しています。ソフトウェア開発や計算物質科学に関連する研究成果やアイデアを広く共有し、参加者間の交流を活発化させる場としたいと考えております。若手研究者や学生の積極的な応募を歓迎します。
開催要項
開催日時
2025年10月20日 10:00-18:00会場
ハイブリッド開催現地会場:東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライト1階多目的ホール(千葉県柏市若柴178-4-4)
オンライン会場:Web会議システム Zoom (申込締切後、メールにて参加用URLをご連絡いたします。)
参加費用
無料募集人数
50名程度参加申込
申し込みは終了しました。対象者
参加方式:現地参加およびオンラインのハイブリッド開催
参加申込締切:10月10日(金)17時まで
講演する場合(口頭・ポスターともに):10月3日(金)17時まで (アブストラクトテンプレート)
旅費支援申請する場合:9月26日(金)17時まで
※講演概要は参加申込時に提出してください。
※ポスター発表者を対象に、旅費支援を検討しています(学生・ポスドクを優先)。支援希望者は参加申込時に、あわせて申請してください。
プログラム
はじめに
| 10:00 – 10:10 | 「はじめに」 | 川島 直輝(東京大学) |
| 10:10 – 10:30 |
「ソフトウェア開発・高度化プロジェクト全般の紹介」 |
吉見 一慶(東京大学) |
第一原理計算関係
| 10:30 – 10:50 | 「固液界面におけるDFT–古典溶液論ハイブリッドシミュレーションの開発と応用」 | 大谷 実(筑波大学) |
| 10:50 – 11:10 |
「TurboRVB及びTurboGeniusの高度化と最近のアルゴリズム的進展」 |
中野 晃佑(物質・材料研究機構、理化学研究所) |
| 11:10 – 11:30 |
「固溶体の配置サンプリングフレームワークabICSの高度化」 |
笠松 秀輔(山形大学) |
強相関電子系関係
| 13:00 – 13:20 | 「強相関第一原理計算手法とソフトウェア開発・高度化プロジェクト」 | 三澤 貴宏(東京大学) |
| 13:20 – 13:40 |
「DCore+ChiQ:動的平均場法による強相関化合物の一粒子スペクトルと二粒子応答」 |
大槻 純也(岡山大学) |
| 13:40 – 14:00 |
「テンソルネットワーク法による量子スピン模型解析ソフトウェアの開発」 |
大久保 毅(東京大学) |
データ駆動科学関係
| 14:00 – 14:20 | 「ベイズ最適化パッケージPHYSBO」 | 田村 亮(物質・材料研究機構) |
| 14:20 – 14:40 |
「データ解析フレームワークODAT-SEと計測インフォマティクス」 |
星 健夫(核融合科学研究所) |
ポスター発表
| 15:00 – 16:00 | ポスター発表 |
ソフトウェア普及・開発関係
| 16:00 – 16:20 | 「MateriAppsプロジェクト:物質科学シミュレーションのコミュニティ形成に向けて」 | 井戸 康太(東京大学) |
| 16:20 – 16:40 |
「MateriApps LIVE! / Installer:物質科学シミュレーションの環境構築」 |
藤堂 眞治(東京大学) |
| 16:40 – 17:00 |
「オープンソースライセンス」 |
本山 裕一(東京大学) |
| 17:00 – 17:20 |
「グループ・コミュニティでのコーディング」 |
青山 龍美(東京大学) |
パネルディスカッション
| 17:30 – 18:00 | 「今後の計算物質科学におけるソフトウェア開発のあり方について」 |
| 座長:吉見 一慶(東京大学) | |
| 登壇者:大谷 実 (筑波大学)、大久保 毅 (東京大学)、田村 亮 (物質・材料研究機構)、井戸 康太 (東京大学) |
主催
東京大学物性研究所附属物質設計評価施設・ソフトウェア開発・高度化プロジェクト
お問い合わせ
ソフトウェア開発・高度化チーム: pasums_at_issp.u-tokyo.ac.jp(_at_を@に置き換えてください)
その他
世話人:吉見 一慶(東京大学)、田村 亮(物質・材料研究機構)、川島 直輝(東京大学)、本山 裕一(東京大学)、青山 龍美(東京大学)、井戸 康太(東京大学)
本研究会は物性研短期研究会です。